はちみつゾンビの呼吸(4)
(この記事は、「はちみつゾンビの呼吸(3)」の続編です)
妖怪はちみつゾンビ
英語のリズムと発音に適した呼吸法と口の動かし方のキーワードは、「はちみつゾンビ」 です。あなたの舌がはちみつでできたゾンビになったとイメージして、口を動かします。
はちみつのようにとろとろとした液体が唇から前へ前へと空中を漂っていくイメージで息を出し、子音の発音で口の中が動くときには、発音に必要な筋肉をリラックスさせたまま、ゆっくりと大きく口を動かします。
実際の発音練習を始める前に、このリラックス状態を作れるように準備しましょう。
口の中で用事があるときだけ、ゾンビがダルそうにとろとろと動くイメージです(笑)。
舌や唇や口の中のシェイプを急に変えようとすると、普段から使い慣れている固くてパキっとした日本語のシェイプがどうしても出てきてしまうんですね。
人前でだらける勇気を
「ヘン顔に慣れる」というのは、じつはもう少し深い意味があります。
今までと違うことをするというのは、とても大変です。今でさえすでに相当忙しいみなさんがさらに自分を高めるべく新しい分野に挑戦して成果を上げようとするのですから、よっぽど強い向上心と覚悟をもってこのブログを読んでいるのだと思っています。
しかし、何か新しいことを始めるときには、かならずカッコ悪い自分、できない自分、甘えて休みたくなる自分、などと真正面から向かい合うことになります。
たとえば赤ちゃんが「あー」とか「まー」とか言いながら言葉を覚えていくプロセスを頭では分かっていても、発展途上の状態で自分の英語や声を聴くと、自分の不完全さにがっかりすることがあります。
成長の鍵はリラックス
アメリカ英語発音の場合、成長の鍵になるのはリラックスです。
ただ力を抜くだけでなく、積極的で意識的なリラックス状態を作ることが必要になります。
自分はそんなに緊張していない、と信じきっている自分に斬りこんで、無意識のうちに作られていたくせやカみやアンバランスを意識の下に引きずり出し、新しい習慣を植え付ける作業の繰り返しです。
何度もエクササイズを反復し、その過程で自分なりにさまざまな模索をしながら経験値を積み上げていくことで、プレッシャーのかかる状況でステージやプレゼンを成功させなければならないときにでも、顔まわりの筋肉が固まって英語がカタカナ語になることなく、普段通りかそれ以上の実力を発揮できるようになるのだと信じています。
変わることを楽しめたら、伸びる
外からのストレスに動じずに自分の力を発揮するためには、どうしても普段からその状態を作る練習をしておくことが必要になります。
練習の時点では少し突飛なエクササイズに見えたとしても、そのエクササイズに慣れることで得られるスキルが歌や英語に役立っていく、というサイクルをできるだけ強めておきたいのです。
バッカバカしい、と思うのは簡単ですが、私のこれまでの経験をのこらず注ぎ込んだメソッドですので、騙されたと思って試してみてください。
何度も何度もやってみて、あなたなりに消化してみて、その成果がどのように歌や会話に活かされているかをよーく観察してみてください。
少しずつかもしれませんが必ず何か変わってきます。
「はちみつゾンビの呼吸」はこれでおしまい!
ひとたび変わるのを楽しむことができれば、あとはどんどん伸びるだけです。
脳をはハウらせず、ヘン顔を笑い飛ばしながら、強くしたたかに練習を続けましょう。
※このコラムは、木村小百合監修「英語はリズムが9割」から引用しました。