2024-01-09

能登半島地震
~必要な道具やケアが一刻も早くその方に届きますように~

 
石川にも富山にも新潟にも、つながりのある人や思い出の場所があります。能登半島地震の被災地では、こんなに寒い今(1月4日深夜)も約3万戸で停電、約9万戸で断水、ガソリン等の燃料不足が続いているそうです。
 
個人にできることなんて、少しでも早く暖かい場所と食事が届くようにと祈りながら、わずかな寄付をすることぐらいで悔しいですが… それでもどの団体に託すべきか、他にできることはないのか、その言動は訓練をうけ支援のノウハウを持つプロの邪魔をしていないか、それでも自分にできることは何か、とウロウロソワソワ考え続けています。
 
いっぽう、他人と違う身体をしている者として、同じ身体をもつオストメイトの方は避難所でどうお過ごしなのだろうか、装具(おなかに貼ってる袋など)の替えや装具そのものを交換する場所は確保できているのだろうか、と案じています。オストメイトに限らず、生活を維持するために特定の用具や環境を必要とする方々は、どうされているのだろう…
 
内部障害者のわたしは、寒い避難所の限られたスペースで、お怪我をされた方、重い持病のある方、体調の悪い方、ご高齢の方、妊娠中の方、不安やストレスで心身に辛い症状のある方、もたくさん居られるピリピリ張り詰めた空気のなか… 衣服や水や食べ物すら足りていない状態で、「わたしは障害を持っています、特殊な装具が必要です」と口に出せるか不安です。
それでも声を出さなくちゃ、言えるようにならなくちゃ、と頭では思うのですが。
 
もしかすると私も、何も言えずそこらの床にうずくまって泣いているだけになってしまう気がして。
 
そしてひょっとしたら、頭の中の私とまったく同じ状態に陥っているオストメイトの方や、日常生活用具と呼ばれるアイテムが入手できないと生きることに支障の出る方が、能登半島地震の避難所にも居られるのではないかと思ってしまって。
 
とはいえ、もちろん、個人で装具を送るなど迷惑以外の何物でもありません。おそらく現在、装具メーカーや、装具販売店や、病院や、消化器外科のお医者さまや認定看護師さんの学会などが、必要な場所に装具を届ける準備をしてくださっているのだろうと思います。ストーマ用品セーフティーネット連絡会(OAS)という組織が災害時対応のガイドラインを作っています。
とはいえ他に届けるべき物資が無数にあるなか「どこにどんな障害を持った方が居て、どんなタイプの支援を必要としているか」というのは、残念ながら当事者の方が名乗り出ない限り分からないわけで。しかも当事者にしか使い方の分からないような物品が無事必要な場所に届くかどうか、その確率はギャンブル以下です。
 
もしも避難所で辛い思いをしているオストメイトの方や、さまざまなケアを必要とする方が居られたら。
施設の方や、自衛隊の方や、救護の方や、医療関係者の方に、自分がオストメイト(または医療的ケアや物品が必要)であることを隠さず伝えられますように。
 
オストメイトをはじめ、こころや身体に事情を抱えた者の生活がその道具にかかっていることを理解してくださいますように。
必要な道具やケアが一刻も早くその方に届きますように。
人としての尊厳が損なわれる事態が、可能な限り少なく済みますように。
こんなことを災害が起きてから考えなくても良いような仕組みが整いますように。
 
まずはひとりでも多くの方に、すこしでも早く、毛布や水や食事が届きますように。

 

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