サヘル・ローズさん監督の映画「花束」の鑑賞会

ちょっと前の話。幡ヶ谷の素敵な喫茶店「壁と卵」で、サヘル・ローズさん監督の映画「花束」の鑑賞会がありました。
児童養護施設で育った8人の男女がカメラの前で生い立ちを語り、彼らの記憶と言葉が前後しながらストーリーが立ち上がる不思議な作品です。
それぞれが壮絶な過去を、涙で声を詰まらせたり、怒りや絶望を抑えたり、冗談めかしたりしながら話す姿が静かに映されたあと、彼らの現在と未来がほんのりあたたかく照らされるようにして、物語は終わりました。

初めましての方と「どうぞどうぞ」と席を譲りあって座って、暗転させた喫茶店のなかで作品を観て。終演後はマスター特製のおいしいスパイスカレーをいただきながら、サヘルさんご本人と 谷津 賢二 さんを囲んでみんなでお喋りをしました。

サヘルさんに感想を伝えようとしたら、途中から感極まっちゃって🤭だくだく泣きながらお礼を伝える不審者ぶりでしたが(笑) ご一緒してくださった皆さんも、それぞれにご自身の心の奥の話をしてくださって。
すごく良い時間でした。

観たあとで、自分や周りの人とのこれまでのことや、これからのことについて、目をそらさずに対話したくなる作品です。悲しみに溺れない強さやしなやかさは簡単には手に入らないけれど、心の中身を外に出すことは最初の大きな一歩なんだと感じるひとときでした。
想いは言葉にしないと、です。