2018-04-09

こんなに違う!?イギリス英語

こんなに違う!?イギリス英語

世界で21億人以上が話す英語。国や地域によって、発音・単語・文法にローカルルールがあります。いろんな英語を知っておくと、相手との距離がぐっと縮まることも。アメリカ英語とよく比較される、イギリス英語を感じてみましょう。

こんにちは。
アメリカ英語発音トレーナーの
木村小百合です。

シュール?アドバーティスメント?

先日イギリス人の知人と話していた時、Schedule(スケジュール)をシュールと発音されて驚きました(笑)。Advertisement(アドバタイズメント、宣伝する、広告などの意味)はアドバーティスメントと発音し、Ad(アド、広告の省略形)はAdvert(アドバート)と言うそうです。アメリカ英語を学んだ私には、とても新鮮な響きです。

 

世界の英語人口、21億人以上!

今から20年前の1997年、母国語、第二外国語として英語を話せる人は世界に約18億人いたと言われます*1。約10年後の2005年、英語を公用語・準公用語等とする国は世界54か国、約21億人になりました*2。日本国内だけでも大企業が英語を公用語にしたり、外国人の新卒採用を全採用者数の半分以上に増やすなどしています。世界の英語人口は、今後も急速に増加することが予想されます。

 

国によって、地域によって、英語は少しずつ違う

それだけ多くの人が話す英語。国や地域によって発音や単語、文法などが違うのも納得です。例えばイギリス英語だけでも、王族や大統領、BBCのニュースキャスターなどが使うRP(Received Pronunciation)をはじめ30種類以上のアクセントがあると言われています。

イギリス英語のアクセントについて知りたい方には、Gill先生の動画がおすすめです。

 

イギリスの大女優Maggie Smithを思わせる、上品でキュートなおばあちゃま先生。国ごとの英語(English, Scottish, Welsh, Irish)の違い、イングランドの地域(RP, Cockney, Midlands, West Country)と街(Liverpool, Birmingham, Newcastle, Glasgow)に特徴的なアクセントなど、シンプルに分かりやすく説明してくれます。

もう1人のお勧めは、最近BBCニュースで取り上げられて話題のKoreanBilly。

街角で実際に聞こえてきそうなナマの英語、日本に暮らす私たちには嬉しいですね。

 

「標準語」って、どの英語?

では、英語の「標準語」と言った時には、どの国の英語を指すのでしょう。

「English」という言葉は直訳すると「イギリス語」ですから、イギリス英語こそ正統な英語だという方もいるでしょう。映画「マイ・フェア・レディ」や「英国王のスピーチ」などのように、アクセントや言葉遣いがその人の社会的地位やカリスマ性に影響を与える、というイメージはイギリス英語のほうが強いかもしれません。

とはいえ、現在ビジネスとエンターテイメントの最先端をアメリカが担っている状況を考えると、「自分の才能で世界に挑戦したい」という日本人がアメリカ英語を学び、ハリウッドやシリコンバレー、ハーバード大学MBA(経営学修士)プログラムを目指すのは自然な流れとも言えます。また、第二次世界大戦以降は日本の社会がアメリカの影響を強く受けており、教科としての英語や英会話などはアメリカ英語寄りになっている事実もあるでしょう。

実は英語には2つの標準語があります。ひとつの英語にいくつも標準語があるなんて不思議な感じですが、イギリス英語ならRP(Received Pronunciation、容認発音とも呼ばれます)、アメリカ英語ならGA(General American)という発音が、標準的なサウンドとして認知されています。
どちらの英語を勉強すべきか

では、これから英語を学ぶ場合は、どちらの英語を選ぶのが良いのでしょう。

その問題のカギとなるのは、この質問です。

「あなたが欲しいもの、好きなもの、大事だと思うものは、どちらの国にありますか?」

拍子抜けするかもしれませんが、この質問への答えが分かれば、狙う英語はすぐに決まります。取引先がヨーロッパならイギリス英語、ハリウッドに挑戦するならアメリカ英語。アイビーリーグでMBAを取るならアメリカ、オックスブリッジで取りたいならイギリス。ブロードウェイのショーに出るならアメリカ英語。イギリスが舞台のミュージカルならイギリス英語。

具体的な目標がまだ決まっていない場合には、あなたの好きなものをひとつ選びましょう。スポーツ、映画、海外ドラマ、音楽、俳優、小説、グルメ、スイーツ、お酒、コーヒー、建物、家具、ファッション、コスメ、ジュエリー、植物、ペット、歴史上の人物、行ってみたい場所、電車、車、食器、など、ひとつテーマを選んで調べ始めると、どちらの国に好きなものが多いか、少しずつ見えてくるはずです。

調べている途中でもう、英語のサイトやYoutubeの動画にぶつかるかもしれません。気づけばイギリス英語、アメリカ英語の違いを超えて、自分の「好き」をバイリンガルで楽しめるようになってしまうかもしれません。

 

どちらの英語を選んでも、大事なのは「自分らしさ」

すべての英語に共通するシンプルな単語・文法・発音をマスターするまでは、アメリカ、イギリス、どちらかひとつに絞って勉強することをお勧めします。勉強を始めて間もない段階で、アメリカ英語?イギリス英語?と目移りしてばかりいると、英語のルールが頭の中でいつまでも体系化できず、学習の効率が下がります。

たとえば公園に行くのに、ボールを買うとしましょう。サッカーボール、バレーボール、バスケットボールの3種類が売っています。サッカーをしたいなら、バレーボールは買いませんよね。あなたの目的に合った英語を選んだら、そこから先は迷わずに進んでいきましょう。

言葉はあなたの想いを伝える道具です。あなたの個性がもっと伝わる英語と発音をマスターして、新しい世界への一歩を踏み出しましょう!

 


*1 The Future of English(1997, The British Council)
*2 世界の言語別使用人口(2005、文部科学省)

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