2020-01-19

ジャズの生まれ故郷ニューオリンズで、JEN(ジャズ教育ネットワーク) に参戦!

ジャズ教育の指導者が集まるJazz Education Netowork

全米からジャズ教育の指導者が集まるJEN (Jazz Education Netowork, ジャズ教育ネットワーク)の年次総会。

2020年の今年はジャズ発祥の地、ニューオリンズで開催されるということで、2016年のルイヴィル以来4年ぶりに参加してきました^^


ビルからクラリネットが生えるほどの(笑)音楽都市、ニューオリンズです。

気分はJazzの冬期講習!ワークショップとジャムセッション漬けの日々

ハイアットリージェンシーを1棟借り切って、世界的に有名なジャズの指導者と演奏家がワークショップとパフォーマンスを開催する4日間。
その数、合計314イベント

夜7時から始まる大御所パフォーマンスのあとは、日付けをまたいで夜中の1時までジャムセッションが続きます。

高校生ビッグバンドやヴォーカル・アンサンブルもたくさん参加しているので、気分はジャズの冬期講習です。

呼吸をするように自然に、音楽が紡がれていく瞬間

人気ヴォーカリスト(こちらはロザーナ・エッカート)のクリニックは、会場のドアが閉まらないくらいの参加者が押し寄せて…

こちらは出席者から歌詞、メロディ、コードのアイディアを募集しながら即興でその場で1曲書いてみる、という作曲アプローチのワークショップ。

呼吸をするように自然に、音楽が紡がれていきます。感動。

JENに毎年行ってらっしゃる、関西で活躍するジャズボーカリスト川本睦子さんにいろんなアドバイスをいただきながら、カンファレンスを楽しみ尽くしました^^

ジャズは意外と役に立つ?

ジャズと聞くと、難解で敷居が高いイメージがあって…
バークリー(音楽大学)に進学するまでは面倒だなぁと警戒していたのですが(笑)

ジャズの人たちが学ぶ音楽理論を使うとポップスやロックやR&Bやメタルなど、あらゆる音楽の中に流れている「しくみ」を効率よく捕まえられるので、意外と役に立ちます。

特にアメリカのジャズヴォーカリストは楽器のコントロール能力も抜群なので、どの高さでも自由自在に強弱や音色を操りながら感情の細かなニュアンスを声に乗せて、会話をするように歌います。

とびきり声が大きいわけでも、高いわけでもないのですが、歌詞の言葉にちょうど良く感情がこもっていて…TEDプレゼンテーションを聞くかのような説得力。

実力あるジャズヴォーカリストを生で聴いてみると、補正だらけの録音音源や動画に慣れた私の耳でも(笑)違いがハッキリ聴こえるのだから衝撃的です。

こちらはJENに参加していた先生のひとり、Jennifer Madsenさんがストリートミュージシャンとセッションをしているのを偶然見つけた貴重な1枚。びっくりしすぎてブレてます。

ストリートミュージシャンと言ってもこの、このクラリネットの方、Doreen Ketchensさんというトラッド・ジャズの凄腕クラリネット奏者。

こんな猛者がストリートで普通に吹くのを聞いて育つニューオリンズの街の人たち。
なんて豪華な…!

その場に行って、実際に話して。初めて感じる「腹落ち感」

JENはライブを聴いて回るだけでもBlue Note, Cotton Club, BillboardやJZ Bratに20回以上通うくらいのボリュームで最高の演奏が聴けるのですが(笑)

私がJENに行く理由は、ちょっと別のところにあります。

そのコミュニティの中で活躍する素晴らしい人達と出会って、実際に話して。
不意にお悩み相談タイムが訪れたりしながら(笑)
自分がこれまでに考えていたことを先輩方に話していると…

次に自分がやるべき課題や、新たな挑戦がクリアに見えるようになるんです。
日本に帰って、次にやることがバシっと定まる、という感覚です。

本を読んだり、オンラインで勉強したりと自分の生活スタイルに合わせてスキルアップのできる方法がどんどん増えているので、「海外なんか行かなくてもいいじゃない」と思う方も多いかもしれません。


JEN会期中にホテルで起きたフラッシュモブ。
「セカンドライン」と呼ばれる、ニューオリンズの伝統的なブラスバンドのパレードが急に出現して、ホテルのロビーを練り歩いている瞬間です。

ちなみに先頭はグラミー賞受賞経験もある超有名ミュージシャンでした(笑)

オンラインでのワークショップやプライベートレッスンの通訳をさせていただいていると、なんて素敵な時代なんだー!テクノロジー万歳!と毎日実感します。

それでも実際に現地へ行って、憧れの人が目の前をウヨウヨ歩いている現場で(笑)
考えたこともないようなマニアックな話に必死で食らいついて、自分なりの疑問や質問を先生たちに問いかけていくと(なにしろ参加者のほとんどは指導者なので、何を聞いても驚くほど誠実にアドバイスをくれる)

ある瞬間、目から大きな鱗が落ちます。

自分なりにいろいろ考えていたことが、先輩や先生のひとことをきっかけに全部繋がって、次の一手が見えてくるというか。

ニューオリンズから生配信したYouTubeの高いテンションは毎日そんなブレイクスルーがあったせいです(笑)

やっぱり鍵は言葉

そうやってワークショップで質問したり、初めましての誰かに話しかけたりするのは、英語を第2外国語として使う私たちにとってはなかなかハードルの高い作業なのですが。

せっかく目の前に一流の指導者の方が居るのに「はー、面白かったー」で誰とも話さず帰るよりは、万が一うまく伝わらなかったとしても、

トライしてみた!何ならうまくいった!うわー、うれしい!

という挑戦が1回でもできると、英語の勉強にも、自分なりのmilestone(金字塔)を打ち立てることができるのではないでしょうか。

practiceは実践

英語では練習のことをpracticeと呼びますが、practiceという英単語、本来は練習よりも実践という意味のほうが強いんです。

日本語的な意味の「練習」というと、私たちがパッと思い浮かぶpracticeよりは、training(鍛錬)という言葉を充てることが多いです。

知識は実際に使ってみることで初めて、だんだん自分の言葉の一部として、馴染んでいきます。

言葉は鍵のように、相手の心の扉を開ける力をもったツールです。

英語を武器に、という言葉を聞くとえ~なにそれ、人を傷つけるつもり?といじわるな気持ちになってしまうことがあります(笑)

勝ち負けのための道具ではなく、日々をより豊かに、楽しく、クリエイティブに気持ち良く過ごすための鍵として英語と仲良くなると、お仕事やプライベートをさらに充実させる新しいperspective(ものの見方)を得ることができるのではないでしょうか。

左から、アメリカ、広島、ロシア、東京。
JENの翌日、この4人で1日観光をしたのですがいやー、会話の密度の濃かったこと!

深い話って、教室をちょっと離れた場所で放課後なんかに、しませんでした?

それです(笑)

ジャズボーカルという共通項が結んでくれた縁のおかげで本当にいろんな、具体的な「やることリスト」の項目が増えました。
さーあ、忙しくなるよ!

Instagramでは番外編のお写真たちもご覧いただけます。
旅の雰囲気、すこしでも伝わったら嬉しいです❤

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